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不妊治療

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不妊症とは?

現在わが国で不妊症で悩んでいるカップルは6組に1組と言われています。 世界保健機構(WHO)では「避妊をしていないのに1年以上にわたって妊娠しない状態」を不妊症と定義しています。

一度も妊娠に至れないものを原発性不妊症、一度以上の妊娠・出産の経験の後に妊娠に至らないものを続発性不妊症と呼んでいます。
この背景には女性の社会進出の機会が増えたことや晩婚化、男性不妊の増加、そして妊孕性について正しい知識が得られていないことが挙げられると考えます。

妊娠・出産は女性にとって重要なライフステージのポイントでありながら、なかなか子供を授かることのできない方にはとても辛いことです。

当クリニックでは、子供を授かりたいと願うお二人に正しい情報提供を行いながら、お二人に合った治療をご案内していきます。
「病院に行きたいけどなかなか勇気がなくて行けない」
「不妊のことを誰にも相談できない」 などお悩みの方、ぜひ当クリニックにお越しください。

不妊の要因

妊娠を妨げる要因は様々です。かつ複数の因子が重複するケースが全体の20%にものぼります。効果的に不妊治療を行なうためには全ての不妊因子を検査することをお勧め致します。

卵管因子

卵管は、精子の輸送、卵子の捕捉、受精の場、受精卵の発育の場、受精卵の輸送という自然妊娠にとって重要な役割を担っています。この卵管がクラミジア感染症や子宮内膜症などの原因で閉塞、狭窄したり卵管の周囲が癒着をおこすと精子および卵子、受精卵の輸送障害や卵子の捕捉障害がおこります。卵管に不妊の因子があるケースは不妊因子全体の30%に存在しています。治療には卵管鏡を用いて狭窄している部位を拡張させたりする方法もありますが、当院では体外受精をはじめとする高度生殖医療をご案内しております。

排卵因子

通常、卵子は卵巣の中にある卵胞という卵子を発育する入れ物の中で約2週間程かけて発育し、成熟すると排卵がおこります。この排卵の仕組みには脳内の視床下部や下垂体、また卵巣内のホルモンが深く関わっていますが、この仕組みのバランスが取れなくなるような病変(多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症など)が生じるとうまく排卵が起こらなくなってしまいます。この排卵因子には月経異常が伴うことが多く、不妊因子全体の10%程度を占めています。

子宮因子

子宮は妊娠やその維持において無くてはならないものであり、内部を構成する子宮内膜は受精卵(胚)の着床における重要な役割を占めています。この子宮に子宮奇形や子宮筋腫などの形態異常、子宮内膜の器質的病変(子宮内膜ポリープなど)が起こると,着床不全がおこることがあります。

免疫因子

抗精子抗体陽性の場合、頸管粘液内で精子の通過障害が起こったり、子宮、卵管内でも精子の通過障害が起こります。また卵子との受精の際に卵細胞への侵入障害が起こることにより妊娠が成立しないと考えられています。約3%の女性に抗精子抗体が存在すると言われています。

男性因子

現在、不妊症カップルのおよそ40~50%に男性不妊症が存在すると言われています。男性不妊症の原因は視床下部、下垂体、精巣、精巣上体、射精管の各臓器あるいは勃起、射精障害など多岐にわたります。大部分は精巣そのものに原因があるケースが多いとされています。
無精子症などの高度男性不妊症に関しましては専門機関へご紹介いたします。

子宮内膜症

子宮内膜症は生殖年齢女性のおよそ10%に発生すると言われています。また子宮内膜症患者のおよそ50%に不妊症が合併しているとも言われています。主な自覚症状は月経痛、性交時痛、排便痛などです。現在では腹腔鏡による手術が治療の第一選択とされています。手術適応の患者様は専門機関へご紹介させていただきます。当院では卵巣チョコレート嚢胞に関しては日帰り手術での吸引アルコール固定術も実施しております。

原因不明不妊

さまざまな不妊検査を行っても原因が特定されない不妊症を原因不明不妊と呼びます。この原因不明不妊は、不妊原因の20%にものぼります。原因が捉えられないだけに不妊期間が長期化するケースもあります。

検査について

不妊治療を行うためには、まず妊娠を妨げているものが何かを調べる必要があります。月経周期において適切な時期に検査を行うことにより適正な検査結果を得ることができますので、来院時期をこちらで指定させていただくことがあります。

初診時スクリーニング検査

  • 検査時期:初診時(月経周期問わず)
  • 検査方法:採血
  • 検査内容: HBS抗原、HCV抗原、HIV、風疹抗体、梅毒、クラミジア抗体、HbAlc、甲状腺ホルモン

血中ホルモン検査

  • 検査時期:月経(月経が始まってから3日目~5日目)、黄体期
  • 検査方法:採血
  • 検査内容:エストロゲン(卵胞ホルモン)・LH(黄体形成ホルモン)・FSH(卵胞刺激ホルモン)・プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)妊娠に関わる重要なホルモン値を採血によって計測します。ホルモンバランスが乱れていると、不規則な月経周期や排卵障害など生殖機能に大きく影響を及ぼします。検査結果によってホルモン剤を使用して改善を図ります。

超音波検査(経腟エコー)

  • 検査時期:月経中・卵胞期・排卵期・黄体期、それぞれ必要に応じて
  • 検査方法:プローブという超音波を発生させる装置を膣内に挿入し、画像解析されたものがモニターに映し出されます。
  • 検査内容:卵胞の大きさや数、排卵日の予測、子宮内膜の厚さを計測、卵巣膿腫や子宮筋腫の診断

子宮卵管造影検査(HSG)

  • 検査時期:月経終了直後~排卵期前頃まで
  • 検査方法:子宮の入口から子宮腔・卵管に油性の造影剤を注入し、X線撮影をします。
  • 検査内容:卵管の疎通性、子宮内腔の形態異常の確認


卵管の役割は精子の輸送、卵子の捕捉、受精の場、受精卵の発育の場、受精卵の輸送です。卵管に疎通性がないとこの役割を発揮できないため、自然妊娠が難しくなります。また、生まれ持って子宮に奇形がある方がいます。子宮奇形があっても日常生活には支障はありませんのでこの子宮卵管造影検査を行って初めて子宮奇形が分かる方もいます。子宮奇形の問題点は流産を起こしやすいことです。子宮卵管造影後、翌日以降に再度腹部レントゲン撮影を行い、子宮、卵巣、卵管周囲の癒着の有無を確認いたします。ヨードの入った造影剤を用いますのでヨードにアレルギーのある方、以前この検査を受けて何かしらのアレルギー反応が出た方に関しましては検査を行うことができません。また、甲状腺や腎臓に疾患がある方は主治医の許可を得てからの検査となりますのでご了承ください。

子宮鏡検査(HFS)

  • 検査時期:月経終了直後~排卵期前頃まで
  • 検査方法:子宮の入口から軟性の内視鏡を挿入し、子宮内を観察します。
  • 検査内容:子宮内膜ポリープ・子宮内膜肥厚、子宮筋腫の有無の確認


所要時間は1~2分程度です。子宮鏡検査において単発の子宮内膜ポリープが発見された場合は生検鉗子を用いて子宮鏡下に切除を行うこともあります。また子宮内膜ポリープが多発しているケースや子宮内膜が異常に肥厚している場合では後日に日帰りで行う子宮内膜掻把術を予定することもあります。

ヒューナーテスト(性交後頸管粘液検査)

  • 検査時期:排卵期
  • 検査方法:夫婦生活をもった翌日の頸管粘液採取
  • 検査内容:頸管粘液の量・牽引性、運動精子数頸管粘液は、普段は無菌状態の子宮内を細菌の侵入から守る為に痰様の粘液で満たされています。排卵日が近づくと卵胞ホルモンの影響により精子が侵入できるように水様状の頸管粘液の分泌が増えてくるのです。頚管粘液は単に精子の通過路となるだけではなく、精子の貯蔵、選択、活性化などの妊娠するために非常に大事な役割を担っています。タイミング療法を進めて行く上で、ヒューナーテストの結果が正常(優良~可)であることが自然妊娠の成立に重要となります。頸管粘液は排卵が終わってしまうとただちに元の状態に戻り、分泌量も減ってしまうので、検査のタイミングはとても短く、予定した実施日に検査が出来ない事もあります。周期によって結果が大きく異なる事が多いため、平均2~3回検査を実施します。1回でも結果が優良であれば、心配はないといえるでしょう。

卵巣予備能を調べる検査(AMH)

  • 検査時期:月経周期問わず
  • 検査方法:採血
  • 検査内容:抗ミュラー管ホルモン

AMHとは抗ミュラー管ホルモンのことを言います。 このAMHは卵巣内の前胞状卵胞に関与するホルモンです。男性は精巣で精子を作るので新鮮な精子を作ることができます。しかし女性は自分が母親のお腹の中にいるときから卵巣の中に卵子を蓄えて産まれ、それを思春期頃から排卵という形で消費しているので、時間がたつほど卵子は数が少なくなり、質も低下してきます。卵巣の中では新しい卵子を製造することはできないのです。卵巣機能を評価するものとしては、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体化ホルモン)がありますが、月経周期の中で変動するので、採血を行う時期は限定されます。しかし、このAMHは卵巣の中にある、まだ発育していない卵胞に反応しますので、月経周期には左右されにくいのです。また、卵巣の予備能力を評価するうえで、大変有効とされています。ただし、卵巣機能を直接評価するものではなく、今後の治療の指標として用います。例を挙げますとAMHが低い=妊娠できないではなく、低い場合は、治療のペースはこのままでよいのか?という指標として用いるのです。また逆にAMHが異常に高い=妊娠しやすいということではなく、AMHが上昇する病変(多嚢胞卵巣など)があるか見極めなくてはなりません。

精液検査(男性の検査)

  • 検査時期:いつでも(禁欲期間2、3日間)
  • 検査方法:2、3日程度禁欲期間をおいてから、専用の容器にマスターベーションで精液を採取後、精子運動解析システム(SMAS)で解析します。
  • 検査内容:精子の数・運動率・濃度・精液中の白血球数などを調べます。

男性不妊

男性不妊は不妊症の40~50%を占めるといわれています。そのため精液検査は極めて重要な検査です。治療を始めるスクリーニング検査として、できるだけ早く検査をすることをお勧めします。

精液検査

2、3日程度禁欲期間をおいてから、専用の容器にマスターベーションで 精液を採取後、専用の機器で解析します。
精子の数・運動率・濃度・精液中の白血球数などがわかります。
精子は動いているのか? 動いている精子はどのくらいいるのか?元気はあるのか?など調べます。射精をして受精に至るまでは険しい道のりです。十分な量が射精されない、精子が少ない、動きがよくないなどがあると妊娠は難しくなります。男性不妊と診断されても、必ずしも妊娠できないということではないので、恐れずに検査を行うことが大切です。

タイミング療法

精液検査(男性の検査)

検査によって不妊因子が見つからない場合は、排卵と夫婦生活のタイミングが合っていないことによって妊娠に至らないケースも考えられます。

  • 基礎体温
  • 尿中のLH(黄体化ホルモン)の値
  • 超音波検査による卵胞や子宮内膜の計測

基礎体温、尿中LHに加え、超音波にて卵胞や子宮内膜の厚さなどを計測することにより、排卵日の予測をし、夫婦生活のタイミングをご指導いたします。約6カ月ほどタイミング治療を続けますが、タイミング療法での妊娠率は約3%前後と言われていますので、高年齢など治療期間に猶予のない方は早期のステップアップをお勧めしております。

人工授精(配偶者間人工授精:AIH)

配偶者間人工授精(AIH)とは?

人工授精(AIH)は1799年にイギリスのHunterにより最初の成功例が報告され、現在不妊治療の第1選択の治療として広く実施されています。排卵のタイミングに合わせて、洗浄・濃縮したご主人の精子を専用のカテーテルで子宮内に注入し、自然な妊娠を期待します。精子の停留場所となる子宮頸管をバイパスすることにより精子が卵子に近づくのを補助します。

どんなケースに適応されるのか?

  • 精子の数が少ない、動きが鈍いなどの精液の状態に原因がある場合→精液検査
  • 頸管粘液(排卵頃に精子が子宮内に侵入しやすくするために出る帯下)の状態が不良で子宮内に精子の侵入が妨げられる場合
  • 不妊原因が見つからないにも関わらず妊娠に至らない場合
  • 男性側の心因性、器質性原因による勃起不全や射精障害、女性側の膣狭窄、 膣痙攣などの性器異常や機能異常などにより、夫婦生活が持てない、成立しない場合

精子の選別(密度勾配遠心法)
人工授精ではお預かりしたご主人の精液を密度勾配遠心法にて、運動性の高い状態に調整いたします。通常膣内に射出された精液は、子宮頸管→子宮腔→卵管を通過する時点で精漿・細菌の除去と運動精子の選別が行われます。精子を洗浄、濃縮せずに子宮内に注入した場合、細菌感染の恐れや精液中に存在するプロスタグランジンによる子宮収縮作用によって痛みを感じることがありますので、 お預りした精液は密度勾配法により洗浄し、細菌や非運動精子と動きの良い精子との分別を行っています。また、射出された精液の量は子宮腔内の容量と比べて多いため、全量注入するのは困難です。そのため効率よく運動精子を子宮腔内に注入するためには濃縮の行程は不可欠となります。

体外受精

1978年、イギリスにて世界で初めての体外受精による出産例が報告されました。日本では1983年に東北大学医学部附属病院で日本初の体外受精児が誕生して以来、高度生殖医療は急速に発達し、現在日本国内における高度生殖医療実施施設は約600施設にのぼります。

体外受精とは?

体外受精は排卵誘発剤などを使用して成熟させた卵巣内の卵子を採取し、体外でご主人の精子と受精させ、子宮内に移植し着床を待つ方法です。

サンビーマー

なぜ遠赤外線が良いのでしょうか?

遠赤外線が何でもよいという訳ではありません。8~15ミクロンの波長が人体に特に効果的と言われています。この波長帯域は、血液の温度が最も低くなる体表面付近の表面静脈叢に反応して、そこで温められた血液が体内に戻ることにより体を温めます。また、血液の流れを良くすることで細胞が活性化されることから不妊治療の様々な問題の改善に使用されています。既存治療と併用することで相乗効果が期待されます。特に体外受精を受けた方で下記の問題改善にお試しください。

  • 卵子の質が悪い
  • 胚の質が悪い
  • 胚の質は良いが着床しない

使用する機器は構造上、磁力波や電磁波を発生しませんので安心してお使いいただけます。ただし、光線過敏症、出血性疾患、感染症疾患、手術後(採卵や子宮内膜掻把術・流産手術・子宮鏡検査・子宮卵管造影検査)、妊娠中の方は使用前にご相談ください。